集客を増やしたいと思ったとき、「SEOかな、SNSかな、広告かな、それともAIで自動化かな」と、施策やツール選びから始める会社はとても多いんです。でも、その前に決めておくことが2つあります。「誰に届けるか」と「何を1つ増やすか」です。ここが曖昧なままだと、どの施策もAIも中途半端に終わりやすいんですよね。
この記事は、社長や現場が忙しく、書ける人もいないなかで、自社サイトから問い合わせを増やしたい会社に向けて書いています。私たちmediupも、届ける相手を業種ではなく「状態」で決め直した経験があります。読み終わるころには、顧客像の描き方、目標の絞り方、施策とAIの使い分け、数字での確かめ方を自分で判断できるようになりますよ。
この記事のポイント
- 集客は施策やツール選びより先に「誰に届けるか」と「何を1つ増やすか」を決める
- 顧客像は業種ではなく、困っている状態と検索する言葉で描く
- 目標は「6ヶ月で問い合わせを月20件」のように期間と数字で1つに絞る
- AIには企画・執筆・分析を任せ、公開判断と事実確認は人が持ち、記事単位の数字で直す
BtoBの集客で最初に決める2つのこと

検索して比べてから問い合わせる顧客
いまの集客で自社サイトが欠かせない理由は、お客さんの探し方が変わったからです。指名で「〇〇工務店」と探されるより、「相場」「選び方」「費用」といった調べ物から接点が始まるケースが増えています。スマホで情報を集め、いくつかの会社を比べてから問い合わせてくるんですよね。
紹介や下請け、広告だけに頼っていると、この「比べる段階」にいるお客さんに自社の情報が届きません。Webでの発信が弱いと、比較の段階に入る前に候補から外れてしまうんです。
だからこそ、ホームページは「24時間働く営業担当」のような存在になります。広告は止めると露出が消えますが、記事や施工事例は公開した後も読まれ続ける資産です。特に、問い合わせが月に数件増えるだけで事業として意味がある、1件の重みが大きい仕事をしている会社ほど、この入口を押さえる価値は大きいですよ。工事でも修理でも設備でも、ここは同じです。
顧客像は業種より状態と検索語で描く

集客の進め方で一番最初にやってほしいのが、顧客像を決めることです。コツは、相手を業種や年齢ではなく「いまどんな状態で困っているか」と「そのとき何と検索するか」で描くこと。
私たちの話をすると、mediupは以前、採用メディアに特化する案を検討して撤回しました。「人材紹介1人あたり100万円」という予算の大きさは魅力的だったんです。でも求職者はIndeedなどの求人サイトで仕事を探すので、記事を読んでも応募にはつながりません。予算の大きさではなく、記事が実際に効くかどうかで判断し直しました。
そのうえで、相手を業種で決めるのもやめました。決め手は「サイトの更新が止まっている」「広告に頼っている」「成果が見えていない」「書ける人がいない」といった状態のほう。状態が同じなら、業種が違っても同じように効くと分かったからです。
自社に置き換えるなら、次の4つに答えてみてください。
- お客さんは問い合わせの直前に、どんなことで迷っているか
- そのとき「地域名+工事の種類」「相場」「費用」など、どんな言葉で検索しているか
- 見積もりの場で毎回説明していることは何か
- お客さんに必ず聞かれる質問、よくある失敗は何か
ここに答えられると、「誰に何を書けばいいか」がぐっと具体的になります。全員に好かれる文章を目指すより、1人の困りごとにちゃんと答えるほうが、結果的に読まれるんですよ。
目標は期間と数字で1つに絞る

顧客像が決まったら、次は目標です。ここは欲張らず、期間と数字をつけて1つに絞ってください。たとえば「6ヶ月で問い合わせを月20件」のような形です。
なぜ1つなのかというと、指標が複数あると判断がぶれるからです。PVも問い合わせもSNSのフォロワーも、となると、どの記事を書くか、どれを直すかの基準がバラバラになってしまいます。これはAIを使うときも同じで、私たちのmediupでも目標は1サイトに1つだけ設定する決まりにしています。テーマ選びも執筆も改善も、すべてその1つの指標を追う仕組みです。
BtoBなら、目標は基本的に「問い合わせ数」がおすすめです。まだ記事が少なく読まれる土台がない段階なら、月3,000PVのようにPVを目標にする選び方もあります。大事なのは、どちらか1つに決めて途中でぶらさないことです。
「全部大事なのに1つなんて」と迷う気持ちも分かります。でも1つに決めておけば、うまくいかなかったときに「何がずれていたか」を振り返れるんです。これが続けられる集客の土台になります。
始める前に確認しておくこと
進め方に入る前に、2つだけ確認しておいてほしいことがあります。
1つ目は、広告表現に法規制がある分野かどうか。医療、士業、金融などは、公開前に人が内容を確認する前提で運用する必要があります。AIで記事を作る場合はなおさらで、誰が最終チェックをするのかを最初に決めておきましょう。
2つ目は、社内にすでに記事を出し続けられる人がいるかどうか。マーケティング専任がいて更新が回っているなら、足りないのは「書くこと」ではなく「数字を見て直すこと」の部分かもしれません。自社に足りないのがどこかを見極めてから手をつけると、ムダな投資を避けられますよ。
集客を続けて増やす進め方とAIの使い方

受け皿のサイトと施策の選び方
施策を選ぶ前に整えたいのが、自社ホームページという「受け皿」です。どの施策でお客さんを呼んでも、最後にたどり着くのはサイト。比べているお客さんが判断できる材料を、先にそろえておきましょう。
- 自社の強みと対応エリア
- 施工事例(写真と、どんな困りごとをどう解決したか)
- お客様の声
- 料金の目安
- すぐに見つかる問い合わせ導線
そのうえで、主な施策を比べてみましょう。
| 施策 | 向いている場面 | 続けるための手間 | やめたあとに残るもの |
|---|---|---|---|
| SEO(ブログ・コラム・施工事例) | 「地域名+サービス名」や「費用」「選び方」で比べている人に届けたい | 記事の企画・執筆・見直しが継続的に必要 | 記事が資産として残り、読まれ続ける |
| MEO(Googleビジネスプロフィール) | 地域で「近くの業者」を探す人に見つけてほしい | 会社名・住所・電話番号の統一、口コミへの返信、投稿 | プロフィールと口コミが残る |
| SNS・YouTube | 施工中の様子、完成写真、施主インタビューで人柄を見せたい | 投稿の頻度を保つ手間が大きい | 過去の投稿とフォロワーが残る |
| ポータル・マッチングサイト | 自社サイトがまだ弱い時期に接点を作りたい | 利用料や登録情報の更新 | 掲載をやめると接点も減る |
| リスティング広告・SNS広告 | すぐに問い合わせが欲しい | 出稿費と運用の調整 | 出稿を止めると問い合わせも止まりやすい |
| チラシ・見学会・相談会 | 地域の人と直接会って信頼を作りたい | 準備と人手が毎回かかる | 会った人との関係が残る(LINEでつながると続きやすい) |
どれか1つが正解、という話ではありません。判断軸は「顧客像の人が、どこで何を探しているか」と「やめたあとに何が残るか」の2つです。広告は即効性がある補完策、比べる段階のお客さんにはSEOの記事、という組み合わせがいちばん相性がいいことが多いですね。組み合わせ方をもう少し詳しく知りたい方は、BtoBで成果が出る集客チャネルの選び方と組み合わせも見てみてください。
ただ、SEOの記事は「作って終わり」だと効きにくいのが正直なところ。ホームページは、作った日がピークになりがちなんです。記事の企画から公開後の見直しまでの流れは、成果につながる記事作成の手順と続けるための運用でまとめています。
AI集客でできることと限界

「作った後」を回し続ける手段として、AIを使った集客を検討する会社も増えています。集客AIは特定のツール名ではなく、記事作成や広告運用、アクセス解析などにAIを組み込むやり方をまとめて指す言葉です。人が1週間かけていたリサーチから投稿までの作業も、数時間まで縮められると言われています。
| 領域 | できること | 集客での使いどころ |
|---|---|---|
| 生成 | 文章や画像のたたき台を作る | SEO記事、SNS投稿、広告文の作成 |
| 分析 | アクセスや検索のデータを読み解く | 順位やクリック率から直す記事を選ぶ |
| 自動化 | 決まった作業を繰り返し実行する | 広告の入札調整、LINEやメールの配信 |
| パーソナライズ | 相手に合わせて内容を出し分ける | チャットボットでの問い合わせ対応 |
ただ、記事を速くたくさん作れるだけでは問い合わせは増えません。理由は2つあります。1つは、AIの下書きは他社と似た内容になりやすいこと。AIは一般的な情報をまとめるのは得意でも、その会社にしかない事例や現場の工夫は知らないんです。もう1つは、公開後に「どの記事が効いているか」を見ないと、打ち手がずっと当てずっぽうのままになることです。
だから役割分担は「AIが提案して、人が承認する」がおすすめです。企画・執筆・分析はAIに任せ、公開の判断と事実確認は人が持つ。mediupでも記事の公開や改善は承認を挟んでから反映され、却下した理由はそのサイト専用の執筆ルールとして残ります。ツールを選ぶときは「何でもできるもの」より目標に合うものを選び、今使っているWordPressやLINEと連携できるかも確認しておきましょう。
書ける人がいなくても素材は社内に
記事での集客が続かない理由は、ツールより体制にあることがほとんどです。一番詳しいのは社長と現場なのに、その2人が一番忙しい。外部のライターに頼むと、現場を知らない人の文章が上がってくる。よくあるパターンですよね。
でも安心してください。書く材料は、もう社内にあるんです。見積もりで毎回説明していること、よくある失敗、お客さんに必ず聞かれること。これが文章になっていないだけで、頭と会話の中にはちゃんと残っています。
おすすめは、「素材を出す人」と「文章にする人」を分けることです。社長や現場には、書くのではなく話してもらう。商品の説明、施工の事例、お客さんの声、よくある質問を、現場写真と一言メモや録音でいいので集めておきます。mediupでも、テキスト・画像・Word・CSV・PDF・音声をチャットに投げるだけで一次情報として保存できるようにしているのは、この「話して渡す」形を前提にしているからです。
このとき決めておきたいのが、「誰が素材を出すか」「誰が確認するか」「いつ出すか」の3つ。ここが決まっていないと、どんなに良い仕組みでも止まってしまいます。
会社固有の事実がないまま記事を作ると、AIでも人でも、どこにでもある一般論の記事になります。比べているお客さんにとって、他社と同じ説明では選ぶ理由になりません。素材は全部そろうまで待たず、最初の1本を作って不足が見えたところから足していきましょう。
広告から自然流入へ段階的に移す

広告を出せば問い合わせは来る、でも止めると問い合わせも止まる。払い続けているのに、手元に何かが残っている感覚がない。そんなモヤモヤを抱えている会社も多いと思います。
だからといって、いきなり広告をゼロにするのはおすすめしません。記事は公開してすぐに問い合わせが来るものではなく、一般的に3〜6ヶ月程度でアクセスの増加が見え始めると言われています。その間は広告で今の問い合わせを支えながら、記事からの流入を育てていくのが現実的です。
進め方の目安はこんな感じです。まず、問い合わせがどこから来ているかを把握します。次に、記事経由の問い合わせが出てきたテーマについて、同じ検索語に出している広告を見直す。記事が効いてきた分だけ広告を減らしていけば、急に問い合わせが途切れる心配を抑えられます。ポータルサイトの利用料も同じ考え方で、自社サイトからの問い合わせが育つまでは接点として残し、数字を見ながら判断していきましょう。
成果は記事単位の数字で確かめる
「毎月作業の報告は届くけど、結局何が増えたのか分からないまま契約が終わった」。制作会社やSEO業者に頼んだことがある会社から、よく聞く話です。成果が出たのかどうかを、誰も数字で見せてくれなかったんですね。
これを避けるには、見る数字を最初から決めておくことです。サイト全体のPVではなく、「どの記事が問い合わせにつながったか」を記事単位で見るのがポイント。効いた記事の続きを書く、効かなかった記事を直す、という次の行動がはっきりします。更新が止まったサイトでも、作り直す前に既存の記事を棚卸しして直すところから始められますよ。
見るデータは、Search ConsoleとGoogleアナリティクスで十分です。mediupでは公開後にこの2つの実データを取り込み、「この記事は検索順位11位、表示回数は多いがクリック率が低い」といった根拠つきで、直すと成果が上がりそうな記事を提案しています。投稿で終わらずリライトまで提案するから、改善のループが回り続けるんです。
担当者がいない会社なら、月に1回、目標に対してどこまで来たかと、効いた記事は何かだけを確認する時間をとるだけでも変わります。改善の回し方は、BtoBオウンドメディアで問い合わせを増やす設計と改善の手順も参考になります。なお、mediupの公開先はWordPressに対応していて、それ以外のCMSは手動での出力になります。いまのサイトを作り直す必要はないので、使っているサイトがどちらに当たるかだけ確認しておいてくださいね。
総括:集客は顧客像と目標1つから始める
BtoBの集客を増やす近道は、施策やツール選びより先に「誰に届けるか」と「何を1つ増やすか」を決めることです。顧客像は業種ではなく、困っている状態と検索する言葉で描き、目標は「6ヶ月で問い合わせを月20件」のように期間と数字で1つに絞ります。施策は「やめたあとに何が残るか」で選び、AIには企画・執筆・分析を任せて、公開判断と事実確認は人が持つ形が安心です。書く材料は社内の会話の中にあり、成果は記事単位の数字で確かめていけば大丈夫ですよ。
まずは、お客さんに毎回聞かれる質問を3つ書き出して、自社の顧客像と目標を1つずつ決めるところから始めてみてください。