SEO業者や制作会社から、毎月きちんと作業報告は届いている。でも「それで問い合わせは増えたの?」と聞かれると、誰も数字で答えられない。集客効果を調べているのは、そんなもやもやを抱えた方が多いのではないでしょうか。
先に答えを言ってしまいますね。集客効果は、アクセス数だけを見ていても分かりません。問い合わせ率や商談化率まで、同じ期間でそろえて追うことが大切です。BtoBなら、PVよりも問い合わせの数と質を優先しましょう。そのうえで記事やチャネルごとに数字を比べて、どこを直すかを決めます。
この記事では、集客数・集客率・伸び率の計算方法、エクセルでの求め方、測定にかかる費用の内訳、外注やツールを選ぶときの比較軸まで、まとめてお話しします。読み終えるころには、自社の数字のどこから見ればいいか判断できるはずですよ。
- 集客効果はアクセス数・問い合わせ率・商談化率を同じ期間でそろえて測る
- BtoBではPVより問い合わせの数と質を優先して評価する
- サイト全体ではなく記事やチャネル単位で比べると改善先が決まる
- 目標は期限付きの数字1つに絞り、測定とリライトを毎月回す
集客効果とは?数字で測る基本の見方

集客数・集客率・伸び率の違いと計算方法
集客効果とは、かけた手間やお金に対して、どれだけお客さんとの接点が生まれ、成果につながったかを示すものです。ふわっとした言葉なので、まずは3つの数字に分けて考えるとすっきりしますよ。
集客数とは、決めた期間にサイトへ来た人の数や、問い合わせをくれた人の数のことです。集客率とは、接点を持った人のうち、次の行動に進んだ人の割合を指します。集客伸び率は、前の期間と比べて数字がどれだけ増えたか、減ったかを表します。
| 指標 | 意味 | 計算方法の例 |
|---|---|---|
| 集客数 | 期間内に集まった人数 | 今月のサイト訪問数、今月の問い合わせ件数 |
| 集客率 | 次の行動に進んだ割合 | 問い合わせ数 ÷ 訪問数 × 100 |
| 集客伸び率 | 前の期間からの増減 | (今期 − 前期)÷ 前期 × 100 |
| 集客売上 | 集客から生まれた売上 | 問い合わせ数 × 成約率 × 平均単価 |
集客率の計算方法は、「何を分母にするか」で意味が変わります。検索結果の表示回数を分母にすればクリック率になります。訪問数を分母にすれば問い合わせ率になります。社内で話すときは、分母と分子を必ずセットで共有しましょうね。ここがずれていると、同じ「集客率」という言葉でも話がかみ合わなくなってしまいます。
集客伸び率はエクセルでこう求めよう

集客伸び率の求め方はシンプルです。「(今月の数字 − 前月の数字)÷ 前月の数字」を計算して、パーセント表示にするだけです。エクセルなら、関数を覚えなくても大丈夫ですよ。
たとえば、A列に月、B列に訪問数、C列に問い合わせ数を入れていくとします。D3セルに「=(C3-C2)/C2」と入力し、表示形式をパーセントに変えれば、問い合わせ数の前月比が出ます。あとは下の行へコピーするだけで、毎月の伸び率が並びます。
注意したいのは、比べる期間をそろえることです。季節で問い合わせが動く業種なら、前月比よりも前年同月比のほうが実態に近くなります。もうひとつ、もともとの数字が小さいと伸び率が大きく揺れます。問い合わせが月1件から2件になれば伸び率は100%ですが、それだけで「集客効果が倍になった」とは言い切れません。伸び率と一緒に、件数そのものも並べて見るようにしてくださいね。
PVより問い合わせ率と商談化率を見てね

BtoBの集客効果は、PV(ページが見られた回数)よりも、問い合わせ率と商談化率で判断するのがおすすめです。アクセスがいくら増えても、問い合わせにつながらなければ売上は動かないからです。
特に、問い合わせ1件の重みが大きい仕事では、この考え方が効いてきます。月に数件増えるだけで事業として意味がある会社にとって、PVが1万から2万に増えたことより、問い合わせが3件から5件になったことのほうがずっと大事ですよね。さらにその先で、何件が見積もりや商談に進んだかまで見られると、問い合わせの質も分かるようになります。
アクセス数、問い合わせ率、商談化率は、必ず同じ期間で集計しましょう。アクセスは今月、問い合わせは先月、のように期間がずれていると、どの施策が効いたのか読み違えてしまいます。
「でも、PVが増えるのも悪いことじゃないのでは?」と思いますよね。もちろん、入口が広がるのは良いことです。ただ、PVはあくまで途中経過の数字です。ゴールの数字と並べて見て、はじめて意味を持つと考えてくださいね。
記事・チャネル単位で比べて改善先を決めよう
改善先を決めるときは、サイト全体の合計ではなく、記事やチャネル(検索、広告、SNSなど流入の経路)ごとに数字を比べましょう。合計だけを見ていると、「全体的に伸びていない」ことは分かっても、どこを直せばいいかが見えないからです。
使うデータは、Googleが提供しているSearch ConsoleとGoogleアナリティクスの2つが基本です。Search Consoleでは検索順位・表示回数・クリック率が、Googleアナリティクスでは訪問後の行動や問い合わせが分かります。
読み方の具体例をひとつ。「検索順位11位、表示回数は多いのにクリック率が低い」記事があったとします。11位はあと一歩で1ページ目に入る位置です。しかも表示回数が多いということは、需要はあるということ。タイトルや説明文を見直したり、中身を足して順位を上げたりする価値が高い記事だと判断できます。逆に、訪問は多いのに問い合わせがゼロの記事なら、直すべきは本文の後半や問い合わせへの流れです。こんなふうに、数字の組み合わせで打ち手が変わるんですよ。認知から問い合わせまでの流れを整理したい方は、小さな会社向けの集客ファネル設計も参考になると思います。
測定にかかる費用の相場と内訳

集客効果の測定そのものは、大きなお金をかけなくても始められます。Search ConsoleとGoogleアナリティクスは無料で使えるので、費用の中心はツール代ではなく「人の時間」と「外注費」になります。
| 内訳 | 中身 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| 計測ツール | Search Console、Googleアナリティクス | 無料で始められる |
| 設定作業 | 問い合わせ完了の計測設定など | 社内でやるか、外注するか |
| 毎月の集計・分析 | 数字の集計、改善先の判断 | 担当者の工数がかかり続ける |
| 改善の実行 | リライト、新規記事の制作 | 制作費や工数が別にかかる |
見落としやすいのは、毎月の集計と分析にかかる時間です。最初の設定より、続けるほうがずっと大変なんですよね。外注する場合も、作業の量で見積もるのか、改善の提案まで含むのかで中身が大きく変わります。制作費の考え方は、記事作成費用の相場と発注判断の基準で詳しくまとめています。
集客効果を改善につなげる手順と判断軸

目標を1つの数字に絞ってから測り始めよう
測り始める前に、目標を期限付きの数字1つに絞りましょう。目標が決まっていないと、集客率を上げる方法を考えようにも、どの数字を上げればいいのか決められないからです。
たとえば「6ヶ月で問い合わせを月20件」のように、期限と数字をセットにします。こうしておけば、今月の伸び率が順調なのか、ペースが足りないのかを判断できます。
目標の指標は1つに絞るのがコツです。PVも問い合わせも商談数も全部追うと、どの施策を優先するかの判断がぶれてしまいます。迷ったら、まずは問い合わせ数を目標にしてみてください。
私たちが運営しているmediupでも、目標は1サイトにつき1つだけ設定する仕組みにしています。テーマ選びも執筆も改善も、すべてその1つの指標を追うためです。既定は問い合わせ数で、必要に応じてPVやリード数に変えられます。指標が複数あると判断がぶれる、というのは人でもAIでも同じなんですよね。
計測からリライトまでの進め方と回す周期
集客効果は、測って終わりにしたらもったいないです。測定、改善先の選定、リライト、もう一度測定、という流れを毎月くり返すことで、はじめて数字が積み上がっていきます。
- 目標の数字と、同じ期間で見る指標を決める
- 月に1回、記事・チャネルごとの数字を集計する
- 順位・表示回数・クリック率・問い合わせ率から直す記事を選ぶ
- 選んだ理由を数字で書き残してからリライトする
- 翌月、同じ指標で効果を確かめる
周期は月1回がひとつの目安です。毎日見ていると数字の小さな揺れに振り回されますし、半年に1回では手遅れになりがちです。また、公開や修正をした直後の数字だけで判断しないことも大切です。検索での評価が落ち着くまでには時間がかかるので、少なくとも次の集計まで待ってから見てくださいね。
リライトの具体的な進め方は、リライトで成果を伸ばす改善ループの回し方で詳しく解説しています。
建築業の現場で測るときの進め方と注意点

建築や修理のように、1件の仕事の重みが大きい業種では、問い合わせ件数を最優先の指標にして、その先の見積もりや成約まで追いかけるのがおすすめです。こうした業種のお客さんは、指名で探すより「相場」「費用」「選び方」といった調べ物から比べて問い合わせてくることが多いからです。
注意したいポイントもいくつかあります。まず、電話での問い合わせです。フォームだけを計測していると、電話で来た問い合わせが数字に入らず、集客効果を小さく見積もってしまいます。受けた電話で「何を見て連絡したか」を一言聞いて記録するだけでも、記事の効果がぐっと見えやすくなりますよ。
次に、季節の波です。修理や工事の相談は時期によって増減することがあるので、伸び率は前年同月と比べると判断しやすくなります。そして、問い合わせの質です。見積もりにつながる相談なのか、対応エリア外の相談なのかを分けて記録しておくと、本当に効いている記事が分かります。現場で毎回説明していることや、お客さんに必ず聞かれることを記事にすると、質の高い問い合わせにつながりやすくなります。
失敗しない外注・ツールの選び方と比較軸
外注先やツールを選ぶときは、作業量ではなく「成果を数字で見せてくれるか」で比べましょう。毎月作業報告が届いても、何が増えたのか分からないまま契約が終わってしまう、というのはよく聞く失敗パターンです。
- サイト全体のPVではなく、記事ごとの問い合わせへの貢献を見せてくれるか
- 改善の提案に、順位やクリック率などの数字の根拠がついているか
- 目標に対する達成度を、毎月同じ形で報告してくれるか
- 公開や修正の前に、自社が内容を確認できる流れになっているか
- 現場の事例や顧客の声など、自社の一次情報を記事に使えるか
私たちmediupも、方針を決めるときに同じ目線で判断し直したことがあります。採用メディアに特化する案を一度検討したのですが、求職者はIndeedなどの求人サイトで探すため、記事を読んでも応募につながらないと考えて撤回しました。予算の大きさより、記事が実際に効くかどうか。外注先を選ぶときも、この視点を持っておくと失敗しにくくなります。
mediupは、Search ConsoleとGoogleアナリティクスの実データをもとに、AIがどの記事を直すと成果が上がるかを数字の根拠つきで提案し、人が承認してから反映する仕組みです。月次レポートには、目標に対する達成度と効いた記事が同じ画面に並びます。外注先の比較をもっと詳しく知りたい方は、記事作成代行の相場と選び方もあわせて読んでみてくださいね。
総括:集客効果は同じ期間の数字で育てよう
集客効果は、アクセス数だけでなく、問い合わせ率と商談化率まで同じ期間でそろえて測るのが基本です。BtoBではPVより問い合わせの数と質を優先し、記事やチャネル単位で比べて改善先を決めましょう。目標は期限付きの数字1つに絞り、測定とリライトを毎月回すことで、数字は少しずつ積み上がっていきます。
まずは「6ヶ月で問い合わせを月○件」のように、自社の目標を1つの数字で書き出すところから始めてみてくださいね。